サービス
統合を成功に導く企業文化の形成とは
GTオーストラリアの「企業文化」の定義は、企業のオペレーションそのもの、そしてそれに影響を受ける人々(従業員、顧客、サプライヤー等)との関わりの中で、企業が示す価値観、態度、行動等のことです。
ビジネスのアジェンダとしての企業文化
優れた企業文化とは、M&A計画時にのみ良さそうに見えればよいわけではなく、実際の統合後に日豪の従業員全員が取り組めるものでなくてはなりません。GTオーストラリアは、統合後の真の企業価値を実現するための支援を行います。
豪州の金融機関や規制当局は企業文化、特にリスク文化に着目しています。
全世界で企業文化の問題は優れたガバナンスの土台として、ますます規制当局の注目を集めています。その結果、企業文化の問題は、おそらくビジネスのアジェンダとして今日最も注目されています。
企業文化を構成する要素 |
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言語 |
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方法・報酬 |
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振る舞い |
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シンボル |
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優先事項 |
Matthew Croxford
Partner & National Head of Human Capital
1. 企業文化を理解する
企業文化調査・測定を実施する
自社の企業文化がどこに重点をおいているかより良く理解するために明確なイメージをつかみます。企業文化の側面(リーダーシップのスタイル、企業責任、人材管理、プロセス・システム管理等)を検討し、自社の従業員や顧客、サプライヤー等利害関係者の認識と照らし合わせた調査結果を精査します。デスクトップ分析のみならず、実質的な面談や観察を通して、ギャップやずれがどこにあるのかを探し、事業戦略と照らし合わせます。
2. 企業文化をつくる
行動規範の作成
強い企業文化形成の肝となるのが行動規範です。全従業員に期待される行動が明確に示され、理解しやすいものであれば、何が企業文化の中に含まれるかそうでないかが明確になります。
企業文化を広げるためのオープンなコミュニケーション
組織に企業文化を浸透させるための投資を行う企業もあります。例えば、会議や全社員トレーニング・研修プログラムを設け、本社からの定期的な訪問を通じて、リーダーからのメッセージや企業ビジョンを共有し、行動規範について話し合う機会を作ることもできます。
3. 企業文化を精査する
実例を用いて企業文化を精査する
企業文化をビジネスでの実例に当てはめて考えることで、理論上ではなく現実的に、企業文化がどのようにビジネスに影響するかを理解できます。
リスクガバナンスと企業文化
取締役はリスク管理に関して責任があります。リスクの観点から行動を考えることは企業文化の維持に関係します。取締役やシニア・リーダーの言動やコミットメントは企業の評判の重要な原動力でもあるのです。
重要な利害関係者との文化の「ずれ」を認識する
ビジネスを行ううえでは、顧客やサプライヤーの文化を考えることも重要です。外部の利害関係者の文化が異なる場合、自社のブランドや評判に影響することがあるからです。
4. 企業文化を再定義・向上する
経営陣と強固な関係を築く
リーダーは自分の言葉で企業文化を説明できる必要があります。海外子会社の経営陣とともに時間を過ごすことにより、経営陣を知り、行動ベースの実質的な質問をすることで企業文化をより深く知ることができます。
取締役会のダイバーシティを高める方法を探す
一般的に理事会の平均年齢は高いですが、理事会の中には若手人材を会議に参加してもらい、デジタル化が進む社会の手助けをしてもらっている企業もあります。またGTグローバルの研究では、ジェンダー・ダイバーシティは意思決定を向上させ、経営陣のリスク対応についても前向きな結果につながることを明らかにしています。
豪州でもジェンダー・ダイバーシティは着目されており、多くの事例があります。例えば、海外子会社からダイバーシティへの取り組みを学ぶ機会を設けることで、コミュニケーションや親子会社間の信頼を向上させることは、長期的に人材管理を充実させる戦略であるともいえます。
企業文化を実行できる目標を設定する
経営陣が文化を戦略目標にしていくことが大切です。こうすることで、企業文化が適切に広まっているか確認するというリーダーに対するアカウンタビリティー(説明責任)がうまれます。
現在だけでなく未来にも焦点を置く
経営陣は、日々のビジネスを監督するだけなく、将来起こりうる課題に対しての準備も行う責任があります。ビジネスの持続可能性のためには、将来の鍵となる企業文化を考える必要があります。